サービスロボットの課題(プロローグ?)

ロボットビジネス

2035年には5兆円産業になるといわれているサービスロボット。受付をしているPepperなどを見かけることはありますが、ショッピングモールなどで、自律移動ロボットが商品を運んだり、掃除をしている姿を見ることはめったにないです。

過去には幾度もなくサービスロボットが来るぞ、来るぞといわれて、何回もブームがありました。例えば2005年愛知万博でのロボットブーム。しかしながら、しばらくすると下火になり市場が拡大したということはなかった。

サービスロボットの市場に関しては↓

サービスロボットの市場
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なぜでしょうか?一般消費者向け(BtoC)と事業者向け(BtoB)は購入動機が多少異なるので、今回は導入理由がシンプルなBtoB向けサービスロボットにスコープを絞りたいと思う。

企業が何かしらサービスロボット導入のために投資するのは、原則、投資対効果が見込めるからです。経済合理性。例えばファミレスなどでPepperに受付を代替させることで、パートを一人減らすことができて人件費が削減できれば企業としてうれしい。Pepperへの初期投資、維持管理費をその浮いた人件費である程度の期間で回収できれば、回収後は理屈上Pepperはキャッシュを生むマシーンになってくれます。回収機関をどれぐらい見込むかは経営者によると思いますが、Pepperなら3年~5年ぐらいでしょうか?

また、現状ではPepperでも少なからず客寄せパンダ的な役割も期待できるので、Pepperへの広告宣伝費の一部を担っていると考えてもいいと思います。儲かって仕方がないから税金対策、というのもあるかも知れませんね。

Pepperがバイトの受付案内担当者と同じ作業ができるか、といわれると容易に想像できるようにとても無理です。昔昔のケイスケのファミレスバイトを思い返すと、受付係なら、人数聞いて、待ち行列に登録、禁煙席か確認して、席が準備出来次第順番に案内、メニューを渡す。それだけでは1人工の仕事にはならないので、受付係はレジも担当します。

Pepperは案内ぐらいはできると思うが、レジ係は無理だと思う。また、子供用の椅子の準備、人数に応じたテーブル配置の変更なども無理ですね。また、それをすべて音声認識で対話でやろうとするとご認識、応答スピード等でとても実用に耐えれたものではありません。

この間行った回転ずし屋ではPepperは受付番号表の発行、順番が来たら声掛け、あとは挨拶だけ。おそらく音声認識はしていなくしゃべりっぱなしなだけかと。受付係のほんの少しの作業を代替しているにすぎないけど、この店はPepper導入前からセミセルフの受付でPOSみたいなのに人数と席の希望を入力していただけなので、それがPepperに置き換わっただけ。

顧客は回転すしに高級なサービスは求めていないので、導入の敷居は低い。Pepperの設計でうまくやっているのはタッチパネルがついていること。不安定な音声認識を使わずにも顧客の意図を拾うことができる。

案内係の一部の作業を代替するだけで投資価値があるのか?この店ではPepperに変わってから席まで人が案内しなくなった、すべてのすしに注文が必要(タッチパネル)になった。なので、回転ずしで見慣れた皿を数えることも不要になった。ホール係がやっていることは、テーブルの片づけと、コンベヤでは運べない料理、ドリンクの給仕だけになっていた。

もしかしたら経営者は人件費削減のためにホール係の完全無人化を目指しているのかもしれない。その手始めの象徴にPepperをコンベアの刷新等と合わせて導入したのではないかと思えてきた。そこまで考えられているならすごいなぁ。

回転ずし屋の受付Pepperの話ばかりになってしまったが、まとめると、サービスロボットの課題の一つは以下の通り。

ずばり、あまりうれしくない

機能、コストに対して現状のサービスロボットではできることが限られている。なので単純な代替なら、投資対効果を得るのが難しい。また、専用設備と競合し、その場合、確実にコスト勝負で負ける。BtoBなら通常、経済合理性を考えて専用設備が第1選択肢になるであろう。
例えコストを度外視して最新の技術、デバイスを採用したとしても満足な機能は得られない。

他にもサービスロボットの課題は多々あるので、順次深堀していきたいと思う。

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