現実的なサービスロボットビジネス(2018年秋時点)

ロボットビジネス

現時点で使えそうなサービスロボット(その1)

WRS(ロボットサミット)のレポートをしばらく書いてきたが、現実的に使えそうなものから、これはつくり込みのデモスペシャルでしょう、というものまで玉石混交である。しかし、WRSを見学したりWEB情報を見て興味を持った経営者の方も少なからずおられると思う。

ロボビズは単なるサービスロボットの紹介サイトではなく、サービスロボットが実際にビジネスで使えるか、という観点に重きを置いている。ロボビズ目線で現時点での現実的なサービスロボットビジネスを述べる(技術は確実に進化していっているため)。

現実的とは、技術的に何とかなりそうで、社会的受容性がある程度あり、投資対効果が得られそうなサービスロボットビジネスである。

コミュニケーションロボットを用いたビジネス

いわゆるPepperや卓上型の対話ロボットなど、受付業務やユーザーがコミュニケーションを楽しむためのロボットである。タブレットやスマホでいいじゃない?と常にロボットの形をしている意味があるのか問われる領域である。

技術的目線

対話、音声認識関係の技術はITジャイアントがどんどん技術革新をしていってくれますので、その時々の最新のものをうまく使う事が重要です。

  • コマンド入力やQ&A対応にはそこそこ使えるが、人間のような気の利いた対話(雑談)はほぼ無理です。シナリオベースでホテルでの受付など、対話内容やシチュエーションが限定されている状況では何とかなるかも知れません(バックアップで人間やタッチパネルが必要)。チェックインを無人化するなどのサービスには使えます。
  • 対話のフロントエンドとなる音声認識は、ノイズや反響などがある程度わかっている、話者がよどみなく標準語を話してくれる、話者とマイクとの距離が一定、etc、という条件においては、そこそこ高い認識をしてくれます。GoogleやNTTのエンジンを導入しておけばよいでしょう。

安全・法規目線

  • 基本的に物理的作業をしないロボットなので、特段安全設計に難しいところはありません。可動部があるなら挟み込みは、解放部が狭くなるように設計してください。子供が触ることが容易に想定できるので、EUのTOY指令を参考にしてください。自律移動する場合は、自律移動台車の安全設計と同様にしてください。
  • 現時点で対話ロボットを規制するような法律はありません。対話エンジンに偏った思想に学習させて問題発言を連発するという事例があったので、将来的には対話AIの品質が問題になるかもしれません。

投資対効果目線

  • ホテル等の受付サービスの代替をサービスロボットで行う場合、タッチパネルでいいんじゃない?という課題が常に取りつきます。ロボットの形をしているとアイキャッチ効果や宣伝効果はあるので、ロボットの筐体に対して+うん10万円の投資の価値があるか十分検討が必要です。

まとめ

  • 定型受付業務をサービスロボットに行わし省人化することは可能です。タッチパネルや人間によるバックアップ体制は必要です。
  • ペットのように話し相手になるような対話ロボットは現段階では技術的に難しいです。最初は喜んでもらえてもすぐに飽きて使われなくなることは時間の問題です。言葉が通じない赤ん坊やペットのような立場に満足してくれるユーザーには受け入れられるでしょう。ただし、10万円でも高いです。
  • 物理的に動く形のあるロボットは画像やスマホにはない存在感があります。その存在感が活かせれば付加価値が出ます。ロボホンとか。

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