WRS(ロボット)サミットに行ってきました。4回にわたりいろいろなジャンルのロボットをレポートしてきましたが今回が最終回です。
入口付近に目立つブースがあったトヨタ自動車。HSR(Human Support Robot)を中心に、ヒューマノイドT-HR3の映像、バスケロボの静態展示がありました。トヨタはいろいろなロボットを開発していますね。
↓バスケロボ。プロ選手と変わらぬ確率でシュートを決めます。
サービスロボットチャレンジで活躍していたHSRがボッチャの球拾いをしていました。サービスロボットチャレンジではほとんど動いていなかったのにここではサクサク動いているなぁ、と感心していたら自律動作ではなくオペレータのリモコン操作で動いていました(写真無し)。
自動運転の車やバイクがサーキット等で人間と変わらないスピードで走っているデモを映像を見ることはありますが、サービスロボットの場合、現時点では自律動作とマニュアル操作では大幅な性能差が出ますね。
↓は会場のいろいろなところで見かけたHSR。看板持ってました。モバイルマニピュレータ(腕付き自動移動ロボ)の機能を活かす使い方はないのでしょうか?自律動作がレベルアップしてきても使いどころが難しそう。
川重のヒューマノイド↓。昨年のロボット展で華々しくデビューしました。倒れても壊れない堅牢性がウリです。川崎グリーンがいいですね。でもなぜ川重が今更ヒューマノイドの開発なんだろうか?極限環境での作業ロボット?
ヒューマノイドの実用化などコストを度外視した特殊環境を除いて夢物語だが、ホンダASIMO、トヨタT-HR3、この川重、ソフトバンクに買収されたBoston DynamicsのAtlasなどが開発を続けている。動力性能はAtlasが圧倒的だが(バク中が出来る)。
ヒューマノイドはロボットエンジニアの夢かも知れないが、家庭内にお手伝いロボットとして入るイメージがわかない。2足で歩くだけで無駄に電力使うし、コストもあほみたいに高い。平地は人類最高の発明?の車輪でいいし、極限作業や足場が悪いところはクローラー(キャタピラ)が無敵。
ヒューマノイド信者は2足以外、梯子を上れない、狭いところが通過できない、家庭内で2階に行けないなど2足の必要性をアピールするが、例えばルンバなら、1階用と2階用と2台買いませんか?階段を行き来できる足つき?ルンバが、ルンバの2台分より安くできればちょっと考えますが。
ヒューマノイドの訴求効果もASIMOの露出が高かった時代と比べるとそれほど高くないと思う。Atlasの曲芸には驚かされるが、次は何をするのだろう?シライ3でもやればすごいですが。動力性能勝負ではそのうち限界が来てしまいます。
ということでケイスケはヒューマノイドには否定的です。
人型っぽいロボットで実用的なのはグローリーのNEXTAGE↓
双腕でカメラで認識しながら人間がやる組み立て作業等の軽作業を代替する。いわゆるベルトコンベア作業は作業者が移動しない事も多いので、ロボットに移動機能がなくても問題ない。逆にベースの位置が固定されるのでそこを基準として座標を考えることが出来るため何かと有利。立派な5指ハンドがなくても、作業に合わせてエンドエフェクターを変えればよい。
ただし作業は遅い。認識やプランニングが遅いのかなぁ?見ていてちょっとイライラするが、作業者を減らせるなら経営者としてはうれしいだろう。1人分の作業をこなせなければ複数台入れればよい(出来る作業のレベルとコストのバランス次第だが)。作業を覚えさせる手間がどれぐらい掛かるかが非常に重要。
少なくとも工場内で「自律的な腕」を持ったロボットがもっと活躍できるようなレベルならないと、家庭内万能お手伝いロボットの実現は難しい言わざるを得ない、と総括します。
コメント