WRS(ロボット)サミットに行ってきました。サービスロボット関連の展示とサービスロボットチャレンジを中心にレポートします。
今回は、いくつかのメーカが出展していた腰アシストロボット(ウェアラブルロボット)。アイアンマンのような全身スーツではなく腰回り中心。重量物の上げ下げなど腰に負担がかかる作業の負担感を低減する。何かしらの指示や動作推定により腰の曲げ伸ばしをアクチュエータでサポートする。
フレームは地面に接地していないので、腰にかかる重量は背中や太ももに逃がすことになる。効果のほどは言われてみれば効いているなというレベル。ただデータをとると腰にかかる負担は明らかに低減されているので、一日中作業をしていればかなり違うと思う。
↑こちらのメーカはモータ。
↑こちらのメーカは空圧。
ロボットが自然にアシストするというより、ロボットに人間がうまく合わせて楽をするという感覚の方が近い。また腕をアシストしているわけではないので、腕や手にかかる荷物の重さはそのままです。握力がないと荷物を落とします。
それなりに効果もあるし、工場や介護現場など腰に負担がかかる作業は多くあるので、使える場面は多くある、すなわちビジネスとして成立する可能性は高い。あとはコスパ次第か。今は70万円ぐらいだが、せめて20万円ぐらいなら結構売れるかな。
あと、ウェアラブルスーツでいくつかの重要なポイントは以下の通り。
- 装着脱着が簡単か
- つけたまま座れるか
- つけたままトイレに行けるか
- 体にあたるところが痛くないか
- 調整機能等によりサイズのバリエーションを減らせるか
- センシングにキャリブレーション不要
使う作業等によるがトイレに行けるか、座れるかは結構重要。操作性や動作の一体感に若干難があっても人間がうまく合わせるのであまり心配しなくてよい。あくまでも使う人にメリットがあれば人間が合わせてくれるので(コツを得るためのモティベーションが働く)。
操作性や一体感で文句言われたのなら、その場面ではそれは顧客にとってそもそもアシストスーツとしてうれしさがないということです。間違っても操作性を上げることに頑張らないでください。
空圧か?モータか?だが、工業エアーがあり、作業者が動き回る範囲がある程度限定できるなら空圧の方が良い。モータより制御性悪いが、それほど精度の高い制御は不要だし、モータ&バッテリより本体が軽くなるし、電池切れの心配もなく、おそらく安くなる。異常停止した場合も基本その位置で保持してくれる。残圧の処置には注意が必要だが。
工業エアがない、農作業等屋外で広い範囲動き回るならモータ&バッテリ1択です。静かなところで使う場合も、モータで。コンセントがあれば普通の掃除機のようにAC電源でもそこまでデメリットがない。電源が落ちた時に、ロックさせるかとか、減速機のバックドライバビリティをどうするか、安全設計はしっかりやりましょう。
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