ソフトバンクとトヨタとロボット

企業

2018年10月4日にソフトバンクとトヨタ自動車がモビリティサービス(MaaS)に関する連携と共同出資による新会社の設立が発表された。各経済誌をはじめ多くの報道がされているので詳細はそちらにお任せするが、個人的に気になるのは、ソフトバンク、トヨタ両社が手掛けているロボット関連の事業の行く末である。

ソフトバンクはソフトバンクロボティクスという会社を設立し、ペッパー(Pepper)での事業を行っている他、小型のヒューマノイドnaoで有名なアルデバランロボティクス社、すごい運動性能のロボットを開発しているボストンダイナミクス社(YouTubeでBoston Dynamicsの動画をぜひ見てください)を傘下に収めるなど、近年、ロボットへの投資には積極的である。

しかしながらビジネスとしてうまくいっているわけではなく、ソフトバンクロボティックスは2017年7月14日の日経新聞の報道によると、業績不振で300億円の債務超過であると報道されていました。2017年のソフトバンクの有価証券報告書にも債務超過であると記載されていました(2018年の有価証券報告書にはソフトバンクロボティクスに関する記載はありません)。Pepperを見る機会がどんどん増えているという感じもしないし。

一方、トヨタ自動車は2005年の愛知万博で楽器演奏ロボットを発表し、その後も継続的なロボット開発と発表を定期的に行っている。ただし、ソフトバンクのように本格的に事業をしているわけではなく、2018年のロボット大賞を受賞したリハビリテーション支援ロボットウェルウォークもレンタルで数十台出している程度である。仮に事業としたとしても、リハビリ機器の市場は数十億程度(国内)しかないので、20兆円以上の売り上げがあるトヨタにとっては、誤差にもならない程度の規模である。

ソフトバンクやトヨタのように大黒柱の本業がある中、新たな事業としてロボットへの投資を行ってきた企業にとって、なかなかうまくいかない/出口が見えないロボットは今やお荷物に近いのではないかと思ってしまう。ホンダのアシモ(ASIMO)も最近すっかり聞かなくなったし。本業とのシナジー効果もそれほどあるとも思えない。

HALのサイバーダインのようにサービスロボットが本業といえるベンチャー系企業か、部品等の共通化できる安川や川重のような産ロボメーカーは、サービスロボットへ継続的な投資もそれなりに意味があると思うが。

それなら、ソフトバンクとトヨタのロボット事業をまとめてしまうという話が出てきたとしてもそれほど不思議なことではないかもしれない。Pepperの開発リーダーだった林要さん(現GROOVE X CEO)はもともとトヨタの社員だったので、ロボット関係でつながりなかったわけではないし(と言ったら言い過ぎか・・・)。

単なる妄想です。

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