サービスロボットベンチャーがまた一つ消える
Google(というか親会社のAlphabet)に買われた東大発ロボットベンチャーとして有名だったSCHAFT(シャフト)が解散されることが発表されました。記事ソース↓
SCHAFTは、DARPAの災害ロボットコンテストで優勝した、手が長いの2足歩行ロボットを開発で有名です。DARPAの競技自体は、ロボットへの期待と現実とのギャップを見せつけられるいつもの感じでしたが、それでも二足歩行ロボットが過酷現場で活躍できるかもしれないと少しでも思わせたSCHAFTの2足歩行技術は相当レベルの高いものだったと思います。
その後も、SCHAFTはへんてこりんな2足歩行ロボットを発表し(完全な人型にはこだわっていない)、動力性能が自慢のBoston DynamicsのATLASとは一味違った方向性の技術を見せていました。
Boston Dynamicsと一緒にソフトバンクへ売却されたという報道も出ていましたが、上記記事によるとGoogleにとどまっており、この度、解散となりました。
2足歩行ロボットは青い鳥?
先進的な取り組みをしているGoogleでさえ2足歩行技術はビジネスとしての可能性を見つけることができなかっといえます。Googleに買われたときは、日本企業は見る目がない、だから日本ではベンチャーが育たないんだ、と散々メディアでたたかれましたが、日本企業の判断はある意味、正しかったことになりますね。
多くのロボット技術者は人間と同じことをロボットにやらせることがすごいんだ、という考えを持っています。だから歩いたり、走ったり、ボールを蹴ったりさせるのです。また、人間のいる環境をそのまま使える、道具をそのまま使えるからいいんだ、とも言います。
確かに、客寄せパンダには適していますし、4足やキャタピラでは難しい梯子を上ることも理屈上可能ですが。しかし実際のビジネスシーンで使えることはないと言い切れます。代表的な理由は以下の通りです。
- コストが高すぎる。もちろんスペックによりますが億です。昔、ASIMOの研究用レンタル料金が3000万/年だった記憶があります。客寄せパンダとしてはコスパが悪すぎ。
- 燃費が悪い。移動するためにエネルギーを食いすぎ。立っているだけで電力を消費する。平地なら車輪、悪路ならクローラーが一番。
- 人間の道具を使って様々な作業をさせるより、作業ごとに専用機器を開発した方がよっぽど合理的。ロボットに皿洗いさせるより食洗器を使う方がよいということです。
- 普通の人間が出来ることをロボットにやらしても、世間一般的に最近ではそれほど訴求力がない。訓練した人間しかできないことが出来るならウケると思いますが。
Googelの撤退により、有名どころ企業として二足歩行ロボットに投資しているのは、ホンダ(ASIMO)、トヨタ(T-HR3)、ソフトバンク(Boston Dynamics ATLAS)だけになりました。ASIMOはすっかり話題を聞かなくなったし、ATLASはバク中の次のネタはどうするの状態だし(ソフトバンクは4足のSpot-miniに力を入れている)。トヨタもいつまで続けるのでしょうか?
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