サービスロボットと安全規格ISO13482

サービスロボットの安全規格 ISO13482(JIS B 8445:ロボット及びロボティックデバイス−生活支援ロボットの安全要求事項)も第2版になって幾分か具体的になった。第1版はとても抽象的で実際の設計のためにはあまり役に立たなかったが。

サービスロボットに関する安全規格の基礎は↓

サービスロボットの安全性を担保するための一つの手法として安全規格への適合があります。2014年にサービスロボットにもISO13482という安全規格が策定されました。今回はその他サービスロボットを取り巻く安全規格について考えてみます。

規格のスコープの注記として、

この規格は,地表で動くロボットに限定する。ただし,次のものには適用しない。

− 20km/h を超える速度で移動する生活支援ロボット
−  ロボット玩具
−  水中ロボット及び飛行ロボット
−  産業用ロボット(JIS B 8433 の規格群で規定されている。)
−  医療機器としてのロボット
−  軍用又は公権力に資するためのロボット

とある。例えば、医療機器ロボットは医療機器の安全規格に適合させないと実際的には医療機器としての認証/承認が取得することが出来ない。安全設計においては、開発する製品にふさわしい正しい規格に適合させることが重要である。医療機器ロボットをISO13482「にも」適合させることは悪いことではないが、適合することに目的や意味がないと単なるいお金と時間の無駄である。

規格では以下の3つの具体的なサービスロボット(生活支援ロボット)を上げて、より具体的な要求事項を定義している。

  • 移動作業型ロボット(例えば、自律移動搬送台車、マニピュレータあり/なし)
  • 身体アシストロボット(例えば、ウェアラブルロボット、パワードスーツ)
  • 搭乗型ロボット(例えば、パーソナルモビリティ)

平たく言うと、規格策定にかかわっていた企業の当時の(プロトタイ)ロボット(製品)をイメージしている。通常は製品が広がって安全に関する問題が目に付くようになってきたら、業界団体が主導で規格を策定したりするのだが(粗悪メーカーの排除、メーカの安全性への取り組みアピール、安全基準を統一して非競争領域として扱う、等の理由)、サービスロボットに関しては、製品が広がるより先に規格を作ったのでので、その時ある製品をイメージして策定するしかない。

サブ規格策定でより具体的に

ISO13482(JIS B 8445)は、より具体的なサービスロボット製品(もしくは製品にしようとしているもの)に合わせたサブ規格も策定されている(下図参照)。ただしこれらサブ規格はJISのみで国際規格ではない。

JIS B 8446-1, 2, 3として、それぞれ、ズバリ対象ロボットがある。

  • JIS B 8446-1(自動移動台車、マニピュレータなし) : パナソニック HOSPi
  • JIS B 8446-2(ウェアラブルロボット、低推力) : サーバーダイン HAL
  • JIS B 8446-3(倒立振子型パーソナルモビリティ): トヨタ自動車 Winglet

規格策定の委員名を見ても、明らかなように、パナソニック、サイバーダイン、トヨタが自社の製品の規格を策定している感じである。もちろん安全設計に役立つよう委員全員で知恵を出し合って策定されていると思うが・・・。規格の対象となる製品が事実上1つ、2つしかないので仕方がない。

しかし、倒立振子型パーソナルモビリティ用の規格ってスコープ狭すぎやしないか?Wingletも最近あまり聞かないがどうなったんだろう?

せっかくの規格なのでありがたく使用してください。現実的な話で、空港でスーツケースを自律的に運ぶロボットやホテル等のバックヤードで動かすラインレスAGVなんかを考えている方は、自律移動台車の規格(JIS B 8446-1)を使ってもらいたい。

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