サービスとロボットと安全規格(基礎編)

特に物理的な作業を伴うサービスロボット(自律移動搬送台車、モバイルマニピュレータなど)はユーザーや周りにいる人、そして財産に対する安全性を確保する(リスクを許容可能レベルまで落とす)ことが重要である。ではどうやったら安全性が確保できるか、という問いかけに対する一つの答えが安全規格への適合である。以下に安全規格の体系図を示す。

このように基本的なA規格、とあるグループに対するB規格、そして個別機器向けのC規格と三層構造になっている。その頂点に位置するのがISO/IEC Guide51である。Guide51に関しては↓

リスクと安全、どちらも日常的に使われる言葉ですが、安全規格上は厳密に定義されています。リスクは被害の酷さと発生確率の積であらわされます。また、安全とは受容不可能なリスクが存在しないことと定義されています。ゼロリスクというものは存在しません。

下の階層になるほど規格に書かれていることがより具体的になる。上記図にはサービスロボットに関係が深そうな規格をピックアップしてみた。サービスロボットには個別規格がなかったが2014年に日本が主導する形で、ISO13482(ロボット及びロボティックデバイス-生活支援ロボットの安全要求事項)が策定された。

ただC規格と言えど内容は結構抽象的でB規格といわれてもおかしくないレベルである。産ロボ規格ISO10218ほどビシッと?していない。そのため、結局はリスクアセスメントをしっかり行って、それに必要なしかるべきリスク低減策を打ちなさい、という当たり前の内容になっている。とは言えサービスロボットのためのありがたい国際安全規格であるので有効に活用すべきである。

ここで注意したいのは、やみくもにISO13482に適合させることに意味がなく(規格策定を主導した経済産業省と認証機関であるJQAは適合してほしいだろうが)、あなたが今から世に出そうとしているサービスロボットがISO13482の適合させることで安全性を主張できる場合のみに適合させるべきである。

場合によっては産ロボ規格など他の安全規格に適合させた方がより安全性を主張しやすいこともある。また、単一の規格だけではなくいろいろな規格を組み合わせてもよい(カフェテリア方式)。大事なのはあなたのサービスロボットの安全性を説明するのに妥当な規格セットを選定することである。

妥当でない安全規格に適合させてもあまり意味がない。認証機関へそれなりに高いお金を支払って苦労して認証をとって自己満足に浸るのが関の山である。

安全規格に振り回されるのではなく、「便利に使う」のが重要である。世界中の人が知恵を絞って策定した規格は正しいものとして認識されるので、その安全規格は正しいのですか?と問われることはない。社内の独自規格とかでやっていると、その社内規格は正しいのですか?と問われて答えに窮することになる。社内規格が正しいことを説明するのは大変難しい。

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