トヨタ自動車が販売していた、コミュニケーションロボット KIROBO mini(キロボミニ) が 2018年12月をもって販売中止になることがアナウンスされました。キロボミニは手乗りサイズの対話ロボットで、価格は本体4万円ほど(+アプリ代等)。機能仕様等詳しくは公式サイトをご覧ください。
キロボミニはいわゆる癒し系のコミュニケーションロボットで、一人暮らしの女性の会話相手を想定しているようで、かわいらしいく身振り手振り(首振り、腕振り)で対話をしてくれます。5歳児ぐらいの会話レベルがあるようですが実際には・・・?
この手のコミュニケーションロボットはいろいろ世に出ていますがどれもパッとしません。トヨタが出した(ブランド力がある)キロボミニの4万円でも駄目だということです。音声認識も不安定だし、対話レベルもなんだかな~。Siriとか音声認識アシスタントはそれなりに使えるのでは?と思われるでしょうが、それはマイクの近くで話者が話す、単語、短文レベルのQ&Aという非常に条件が限られている場合です。
対話ロボットの場合は、話者とのロボットのマイクとの距離が不定、Q&Aだけではない、話者の言葉が崩れている、等だけでとても残念な結果になります。恐らく現在最強であると思われるGoogleの音声認識エンジンさえも、人間同士の自然な対話を聞かせる?と、条件が良ければ素晴らしい認識をする一方で、テキスト化された認識結果が全く意味不明なぐらいひどい時もあります。とにかくうまく認識するかどうかは出たとこ勝負。
現状、対話ロボットとそれなりに会話するコツはあるので教えます。
- ロボットのマイクとから正しい距離を離れて発話しましょう
- 周辺環境ノイズは少ない方がいいです
- 天井が高いところとか音が響くようなところでの会話は避けましょう
- 正しい文法で活舌よく発音しましょう
- 発話するときは、センテンスの切れ目がわかりやすいように、”間”を開けましょう
- ロボットがしゃべり終わるの待って、一呼吸おいて対話をかぶせないようにしましょう
昨年か一昨年前のCEATEC(シーテック)にキロボミニが出展されていた時、体験ブースは防音室でした・・・。わかると思いますが、展示会場は天井が高い、周辺環境がうるさいと対話ロボには最悪の条件です。なので防音室を持ち込む、さすがトヨタと思った記憶があります。
AIスピーカーへの指示や運転で手が離せないときのナビへの音声での指示など、音声での指示が便利な場合は、認識エンジンが認識しやすいように人間が合わせます。便利な道具を使うために人間がコツをつかむのと同じです。
単に雑談するためのロボットにいちいち人間が合わせて気を使ってしゃべりますかいな。普通にしゃべってロボットがついてきてほしいですよね。現状の技術レベルでは大人が満足するような対話は無理です。下手に誤認識してロボットが変なことしゃべるととてもがっかりされるので、おばあちゃんに話しかけられて喜んでいる赤ちゃんのように振る舞うロボットの方がウケがいいかと思います。となると対話レベルより、ノンバーバル(表情、しぐさなど)のコミュニケーションが優れている方がよいです。いい例はAIBOですね。犬だからしゃべらくていいです。
対話ロボットでのビジネスをお考えの皆さん、現状の技術の限界を鑑みて、使いどころを間違わないようにしてください。
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