1次試験の概要
中小企業診断士試験はマークシート式の1次試験と、記述式の2次試験(2次には、口述試験もあるがこれはまず落ちない)。2次は勉強したら通るというわけでもないが、1次は勉強すれば通る。ただ、試験範囲がとても広いので忙しい社会人の方には効率的に試験対策しないと結構大変。特に、会社経営関係の仕事にあまり縁のないエンジニアの方が初めて受けるなら、そろそろ勉強を開始しないと8月の1次試験に間に合わないです。
中小企業診断士試験は、エンジニアより、金融機関やシンクタンクにお勤めの方など、日ごろから企業の経営に関係されている方の方が親近感があると思う。ちなみに1次試験は
- 企業経営理論(経営戦略論、組織論、マーケティング)
- 財務・会計
- 運営管理(生産管理、店舗・販売管理)
- 経営情報システム(情報システムの基礎知識、経営への活用)
- 経済学・経済政策(マクロ、ミクロ)
- 経営法務(知的財産権、会社法、民法)
- 中小企業経営・政策
の7科目である。D、F、Gは基本的に暗記教科、Bは計算教科、C,Eは暗記と計算半々、Aは暗記と国語という感じです。合格基準は国家資格によくある、平均60点以上、足切り40点、というやつ。問題が難しすぎて合格者が少なくなりそうだと得点調整が入って、おおむね1.5割程度の合格率になる。
エンジニアが日ごろの会社生活で触れるのは、分野にもよるが、Fの知的財産権、Cの生産管理、Dの情報システムの基本知識ぐらいである。割合でいえば3割あるかないか、残りの7割は、単語ぐらい聞いたことがあるかもしれないが、ほとんど知らない世界であると思う。
ケイスケも工学部出身で長年エンジニアをやってきたが、B財務会計、E経済学、G中小企業経営に関しては全く知識がなく、ゼロからの勉強となった。暗記教科のGはともかく、完全に理解して問題を解かなくてはならないB、Eに関しては大変苦労をした。仕訳って何ですか?という、銀行や企業の経理畑の方からは信じられないほどの低レベルさですから。
ただ資格試験なので、入試のように順位で争うわけではなく、ある程度メリハリをつけて勉強して、確実に合格基準を満たすという戦略をとることが望ましい。日々会社の仕事で忙しい方々はそれほど勉強に時間をさけるわけもないのだから、いかに効率的にエコ勉するかが短期合格の秘訣です。
エコ勉のポイント
社会人が中小企業診断士の1次試験を平均60点取ることを目指し、効率よく勉強するポイントとして
- 隙間時間、無駄時間の勉強時間へのリサイクル(チリも積もればなんとやら)
- 電車通勤の方は、通勤時間をフル活用
- 車通勤の方は、カーオーディオで音声教材や自らのテキスト朗読を流し聞き
- 昼休み、会議での開始待ち時間、等、1問でも解く
- 計画を立てて一つの教材(市販問題集、予備校テキスト、通信教育、自分のライフスタイルにあるものを選んで)を3回回す(6か月はかかる)
- 1回目(3M):まずは全範囲さらい、明らかに苦手なところを把握
- 2回目(2M):もう一度全範囲回す。7教科もあるので2週目に入るころには、最初の教科は結構忘れているが、1回目、2回目とも正解したところは3回目からは外す。2回目でも理解できないと思ったところは、別教材なども使い深く勉強し、理解しておく。どうしてもわからないところは思い切って捨てる
- 3回目(1M):1回目、2回目のどちらか間違った問題をもう一度解く
- 計画は週6で立てて、たまに飲み会等で勉強できない日があっても計画が狂わないようにする → 社会人が各種資格試験をするときの鉄則だと思う。
ケイスケが実際に使用した教材
予備校、通信教育、市販問題集による独学など、自身のライフスタイルに合わせた教材を選んでもらえばよいですが、ケイスケが1次試験対策で実際に活用した教材を紹介します。
オンライン資格講座【スタディング】(旧名称:通勤講座)
スマホで勉強できるWEB講座です。僅かな隙間時間でも練習問題と過去問をスマホで学習することが出来ます。暗記強化の繰り返し学習には大変効果がありました。ただ計算問題や図を使う問題はPDFでも用意されている教材を印刷して紙で解く方がよいです。
過去問はすべて掲載されているわけではなく、ある程度重要論点に絞り込まれています。そのため、網羅性は若干落ちていますが、1回回す負担が低くなっています。100点取る必要はないので、反復練習をして確実に60点取っていこうというコンセプトです。
じゃあ膨大な試験範囲のある診断士試験で、この教材だけやっていれば60点取れるかというと、全く知識のない科目は正直難しいかもしれません(50点ぐらいは取れる気がします。)その科目に対するある程度の知識があれば、60点取るための大きな力になってくれると思います。
中小企業診断士 集中特訓 財務・会計 計算問題集
ケイスケは財務会計に関しては全く縁がなく、なかなか理解が進まなかったため、計算問題を徹底強化するための問題集を購入しました。銀行勤めの方とかはこの教科で点数を稼ぐのですが、通常の会社生活で財務会計に縁のないエンジニアには、計算問題の克服が合格のための重要なポイントとなります。2次試験の事例IVでは1次よりかなり難しい計算問題がでますので、1次で躓いている場合ではないです。
本問題集は解説も充実しており、計算問題の強化にはもってこいでした。上記通勤講座と合わせてこの問題集をこなしていれば1次の計算問題の7~8割は取れると思います。2次の勉強にも使えます。
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